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2006年12月20日 (水)

『のだめカンタービレ』第10回

ショパンのエチュードの「適当な」演奏で終わった前回のシーンから、今回は始まりました。がっくりくる江藤先生を尻目に、今度はドビュッシーの「喜びの島」を出色の出来で演奏しきれたのだめ

ひやひやの江藤先生、そしてのだめも自信はありません。

そんなこともものかわ、何とか28番ののだめの番号が最終選考に入っていました。とにかく、全員ほっとした瞬間です。視聴者としては最後までのだめのピアノが聴けるのでうれしいところです。

一方、千秋はついにヨーロッパへ行く決心をします。そして、その前に日本でやっておくべきことを確認しました。それは、あの最初のSオケで指揮棒をふったベト7(べとしち)――ベートーベン交響曲第七番を最後までしっかりコンダクトすることでした。

R☆Sオーケストラの評判は日に日に高まり、チケットもさることながらどうやらオケに入りたい学生が相変わらず押しかけます。そんな中で、自信にあふれつつもやはりこのオケに魅入られたひとりのバイオリニストの登場です。ブッフォン国際バイオリン・コンクールという明らかに実績からいうと今のコン・ミスである清良の格上となる高橋紀之でした。しかも、なんと真澄と同じ趣味――つまりホモ・セクシュアルのもようです。シャツを脱ぐ千秋にも早速魅入られたようです(笑)。それにしても、えらい露骨な高橋くんでした。

それはともかく、みんなの前でバイオリンの腕を披露しますが、これがやはり見事なもの。しかも、弾き終わったあと、あろうことかコン・ミスの清良を前にして「僕のほうがこのコンミスよりうまいでしょ」と挑発的な言辞を吐きます。ひそかに清良に対して早く日本を離れウイーンでバイオリン修行をしたほうがよいと思っていた恋人の峰がすかさず高橋の肩をつかみ、「コン・マスは君だ」と宣言します。まあ、千秋とのだめだけの恋だけでなく、峰と清良の恋にも少し触れてみたというところです。

さあ、のだめに戻ります。
最終選考におけるピアノ演奏が始まりました。

この大会の優勝候補であり、しかものだめの幼児時代からのライバルである瀬川悠人の演奏が開始されました。正確な演奏、ミスのない演奏という評価をナレーションされるなか、一人オクレール先生はつぶやきます。

「彼は何におびえているんだろうか」と。

へ~ぇ、そんな演奏なんだ、ってよくわからないままに聴いていました。おびえた音なんでしょうか。わたしには、まったくわかりません。しかし、偉いオクレール先生がのたまうのですから、きっとおびえの籠もった演奏なんでしょう(笑)。

んじゃ、何に? って、それはもう決まっています。幼児のころから抱いてきたのだめに対する劣等感、つまりのだめへのおびえ、っていうことなんでしょうね。人間は3~5歳で脳に刷り込まれたことは一生消えないそうですから、悠人君の不安はさぞ大きなものだったのでしょう。

いよいよのだめの演奏です。最初はシューマンのピアノソナタ第2番。

今回もこれらの曲は聴いたことがないのですが、いずれも心地いいものでした。ほんのさわりだけなのですが、もっと聴いてみたいという気にさせてくれます。きっと演奏している方もすごい弾き手なのでしょう。

江藤先生は、ファイナルにもう1曲ストラヴインスキーの「ペトルーシュカ」を選んでくれたのですが、たった2日では覚えきれず、シューマンだけで終わって帰れ、と指示していました。しかし、のだめは観客席のなかに千秋を見てしまったのです。そう、のだめがこのコンクールで一位となってお金を得たいのは、この千秋と一緒にヨーロッパに行きたいという意図があったからでした。

決意を固めてのだめはついに江藤先生からは「無理だから止めろ」と言われていた最後の曲「ペトルーシュカ」を弾き始めてしまいます。もう、後戻りは効きません。

しかし、なんと見事な演奏でしょう。なめらかに、そしてきらびやかに、めくるめくような演奏です。

あ、ところが、です。途中ではたと止まってしまいました。

実は、会場までのバスの中でこの曲を譜面を見ながら練習していたのです。そのときに、この譜面の今のところで傍らの席に座っていたサラリーマンの携帯電話が鳴り、その着メロが「今日の料理」だったのです。ですから、耳から覚えるタイプののだめは、ここの部分でどうしても「今日の料理」のメロディーしか思い出せないのです。

ややあって、しかたなくのだめは「今日の料理」を弾いてしまいます。それにしても、ピアノによる重厚な感じの「きょうの料理」でしたね(笑)。漫画では単に作曲したことになっていたところですが、こっちのほうがわかりやすかったかもしれません。

しかし、耳から覚えるのだめですから、この料理の曲が終わればまた元に戻れるわけで、結局、ペトルーシュカは残りの部分を最後まで弾いて終わることができました。「きょうの料理」以外は見事な演奏でしめくくれたようです。

自分のトップがなくなったことを悟ったのだめはショックのあまりそそくさと会場を後にします。千秋がなぐさめかたがた、後を追って「ヨーロッパに行かないか」と誘うのですが、なんとここでのだめは「遊ぶ金ほしさでコンクールに出たんですよ」と言ってしまいます。あれ?、こんなこと言っていいんですかね。

マラドーナ・コンクールの選考結果は、意外なものでした。1位がない2位が最高位で瀬川君がとりました。しかし、1位がないのは明らかにあの「きょうの料理」さえなければ、のだめが優勝だったということを意味しているようです。

めでたし、めでたし。――ん、何で?(笑)

それにしても、最近はストーリー展開もさることながら、バックに流れる音楽のよさにうっとりすることが多くなりました。また、クラシックをゆっくり聴いてみようかな、なんて思ったりしています。

とくに、今回の最後のシーン、千秋がまさにこれからベト7を振ろうという、そこまでに至るモノローグのバックに流れるピアノ・バージョンのベト7――これが最高。あそこで止めないで、もうワーッとオケでクライマックスまで演奏してほしかったのは、わたしだけではなかったでしょう。しかし、そういう意味でもこのドラマの音楽の演出もなかなか凝っていますよね。

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コメント

たるぼっとさんどうしてるかな、と思ったら、のだめ。
我が家は日ごろTVチューナーを接続していないのですが、のだめの為だけに月曜9時はTVをつける日々です。

投稿: たこ麗子 | 2006年12月21日 (木) 15:17

最近はしばらく映画は休んでいまして、このテレビドラマを見ていました。って、テレビドラマも本当に久々で、上野樹里だから「のだめ」を見たのですが(笑)。

とにかく、音楽が付けられる映画とかテレビのよさを思いっきり出すことに成功した、漫画からの移し変え作品という意味で画期的なのではないでしょうか。

クラシックのよさを再確認させられましたが、これはたこ麗子さんも同じみたいですね。

投稿: たるぼっと | 2006年12月21日 (木) 19:22

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